《熊本地震～その後2017.12.08》
あと少しで熊本地震から1年と8ヵ月。
前震の震源地の町、御船町へ向かう
深夜の県道。
みんなが眠っている夜中に毎日
少しずつ道路の復旧工事が進められてる。
僕も水道の本管工事で夜間工事を
したことが何度かある。
交通量の多い幹線道路や
断水すると影響が大きい管路の
時に夜間工事をしていた。
本来なら人間が眠るはずの
夜中を徹して行う作業
わずかな灯りでは限られた範囲しか
見えない中での作業。
昼間の何倍も精神も肉体も
疲労する。
朝のラッシュの前には必ず
道路を解放しなければいけない
制約の中
震源地の周辺で
少しずつ少しずつ
波打ちひび割れた道路が平に
なっていっている。
ここそこの至る場所で
工事の皆様ご苦労様。
毎夜毎夜ありがとうございます。
あれから1年8ヵ月。
こうした光景を目にする度に
復旧も復興も
まだ始まったばかりの
気がいつもする。
目の前の現実が自分の
映し出してる世界だとしたら
この大きく傷付いた大地も
全て自分なのだろう。
この町に居を構え
この大地と共に生きてくことを
覚悟したのは
どれほど大きく傷付いても
どれほど哀しみの淵を流離おうと
そして何度も何度も倒れようとも
何度でも何度でも立ち上がり
甦る。
そんなことを繰り返してきた
自分に相応しい場所だから
なのかもしれない。
長いこと放置してしまった
奈良の家をそろそろ片付けて
引き払いに行こう。
それもまた無我夢中で
走り続けて置き去りにしてきて
しまった自分自身だから。
此処の自分も
其処の自分も大切な愛しい
存在なのだから。
